文章をチェックする。英文(和文)の書き方ではなく、書いたものをチェックする方法をいくつか書きます。
- とりあえずまず、スペルチェック。何にも道具がなければ、Word にtex source をコピペして、波線が引かれる単語を注視する。これだけでもかなり有効。
- 小田忠雄「由緒」を見る。英文を主対象としているが、和文でもとても参考になる。全部いっぺんに見ると散漫になるので、1.1 節の内容がOKか、1.2 節がOKか、1.3 節がOKか、と順番にチェック。
- 日本語 LaTeX を使うときに注意するべきこと. 日本語で数学の論文を書くときのTeX。まず、ファイルの中ほどの「初心者が陥りがちな細かな失敗」に挙げられている10個程度のチェック項目をまず見よう。
この3つだけで、かなり見るべき箇所が減る。
まず、些末なこと。
- 「加算」。内容的に「加算」と関係ない文章では、「可算」の間違いである可能性が高い。
- 「にたいして」。直前に数式があると、「に対して」と変換されないことが多い。「とかく」も「と書く」と変換されないことがある。
- 内積の記号に不等号が使われている。\langle, \rangle に直す。(小田忠雄 1.6.3)
- 内包的記法に | が使われている。\mid に直す。
- 母音の発音の前の不定冠詞。a a, a i, a u, a e, a o で全文検索し、必要なものは an に直す。(c.f. 小田 p12)
- 参考文献のページの間がハイフンになっている。en ダッシュ(--)に直す。(小田 1.6.1)
- \ldots, \cdots の誤用は直す。 (小田 1.5)
チェック項目。
- 英文の場合、主語と述語の単数複数が一致していることを確認する。
- 数式の括弧と閉じ括弧が対応していることを確認する。せめて、個数が一致していることを確認する。
- すべての文の文末にピリオドがついていることを確認する。特に、記号で終わる文、display されている文、命題などの終わりの文。
- 和文の場合、「をを」「のの」などの誤った重複がないかどうか確認する。source file では、間に改行がある場合が多いので、ソースの検索では見つかりづらい。
- 天野先生
特に、And で文を始めない、など、理由がわかってよい。
- 落合先生 私と同姓の数学者。「論文作成上の一般的な注意」には、参考になる意見がたくさん書かれています。特に(2)(6) など。
- 理数系のための技術英語練習帳 ―さらなる上達を目指して―. 金谷 健一著. ISBN 978-4-320-00589-1.