示野信一「演習形式で学ぶ リー群・リー環」サイエンス社 - 気がついた点 - p1, line -2. 「定数倍」。まぎれはないと思うが、「実数倍」という言い方もできる。 - p2, 図1.1. これもまぎれはないと思うが、図では$\mathfrak{t}$ が原点を通過していない。 (本文、p1, line -5 では、きちんとベクトル空間、と明言されているから大丈夫だとは思うけど。) - p15, 定義2.8. おそらくこの時点では、GLは未定義。(p19 で定義される。) - p19, line 1. (3) は (1). - p26, 例題1.15 の解答(1) の4行目。$\mathbb{K}$ は$\mathbb{H}$。(2箇所) - p18, line1. 例題2.8(2) は (3). - p20, 脚注。例題6.3は、例6.3。(それぞれ p90, 95 にある。) - p23, 例題2.14 の解答の5行目。「正定値対称行列$p$ の固有空間は $p^2$ の固有空間と一致」。 正しいし、線形代数学の範囲の知識と言えるのだが、ここまででこの本で仮定されている知識よりやや高度な印象を受けた。 - p37, 例題3.5(ii) の右辺、$\left\vert a \right\Vert \left\vert X \right\Vert$ は $\left\vert a \right\vert \left\Vert X \right\Vert$. - p37, 定義3.4. $M(n,\mathbb{K})$ で考えているときは、$n$ は行列サイズとして固定されているので、数列の項を表す番号としては $n$ 以外の文字を使いたい。 - p42, 例題 3.15, $\mathfrak{p}_+$ の定義に $\operatorname{Tr}X=0$ の条件が不要。手間を惜しまず、 $\mathfrak{p}_+ = \{ X \in M(n,\mathbb{R}) : {}^tX =X, X$ は正定値, $\det X=1 \} $ と書く方が良い。 演習問題3.6 も同様。 - p54(1), line 4 の左辺。$1+2+\cdots+(n-2)+(n-1)$ ではなく、$\{1+2+\cdots+(n-1)+n\}-1$ を表している。まあわかるけど。 - p57, 例題4.10(2) の解答の最後。$\mathfrak{sl}$ の次元は $d(n^2-1)$. - p58, 演習問題4.9, line 1. $GL(n,\mathbb{R})$ は $GL(n+1,\mathbb{R})$. - p61, line -5. 「正則な」は不要では? - p62, 定理4.2の証明。p62, line -3 の直後辺りに、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \log A_m=0$を書いておきたい。おそらく、3章の適切な定理番号を引用すると良い。そして、直交射影が連続であることに言及して、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} X_m=0$, $\displaystyle\lim_{m\to\infty} Y_m=0$ を明示的に述べ、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \left\Vert Y_m \right\Vert=0$ もこの辺りで明示的に書いておくと良い。これらの主張がなぜ必要かを説明しておく。p63 の中程の「したがって」で、「$\displaystyle\lim_{m\to\infty} X_m=\mathbf{0}$」が使われる。$\displaystyle\lim_{m\to\infty} a_m(T_m - {\mathbf{1}} )= tY$ の証明で、「$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \left\Vert Y_m \right\Vert=0$」が使われる。 - p62, 定理4.2の証明。p62, line -3 の直後辺りに、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \log A_m=0$を書いておきたい。おそらく、3章の適切な定理番号を引用すると良い。そして、直交射影が連続であることに言及して、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} X_m=0$, $\displaystyle\lim_{m\to\infty} Y_m=0$ を明示的に述べ、$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \left\Vert Y_m \right\Vert=0$ もこの辺りで明示的に書いておくと良い。これらの主張がなぜ必要かを説明しておく。p63 の中程の「したがって」で、「$\displaystyle\lim_{m\to\infty} X_m=0$」が使われる。$\displaystyle\lim_{m\to\infty} a_m(T_m - {\mathbf{1}} )= tY$ の証明で、「$\displaystyle\lim_{m\to\infty} \left\Vert Y_m \right\Vert=0$」が使われる。 - p63, line 4--5. ここでは、$\left\Vert (X+Y)^j - X^j \right\Vert \le (\left\Vert X \right\Vert + \left\Vert Y \right\Vert)^j - \left\Vert X \right\Vert^j$ という不等式が使われている。正しいし、広い意味で3角不等式の応用で示せるものの、ここまでの読者の知識や解説の丁寧さを考えると、当たり前ではないと思われる。 例えば、$\left\Vert (X+Y)^j - X^j \right\Vert + \left\Vert X^j \right\Vert \le \left\Vert (X+Y)^j \right\Vert$ からでは示せない(不等号の向きが $\left\Vert X^j \right\Vert \le \left\Vert X \right\Vert^j$ となるため)と思うのだが、、、。私の錯覚? - p66, 例題4.17(2). $J_n$ は p17 で登場したものと同じもの。そこでは、$f$ を $\omega$ と書いていた。 また、(2)の最後の行の $J$ は2カ所とも $J_n$. - p69, line -10, $C$ は $\mathbb{C}$. - p80, line 1. 習慣に合わせるとすると仕方がないとはいえ、$(x,y,z)$ の $z$ と $z=x+i y$ の $z$ が紛らわしい。(異なるものを同じ記号で表している。) - p96, line 6. $\mathbb{R}$ から$G$「の中」への群としての同型写像、、、 とした方がよい。(全射でないことがしばしばあるため。) - p114, 7.5 節 line 6. $\Phi$ の定義は $\rightarrow$ ではなく、$\ni t \mapsto (e^{it}, e^{\alpha i t})$ がよい。 - p157, 10.1 節の冒頭。$G$ をコンパクトとしておく。($SL(2,\mathbb{R})$ の岩澤の$N$ や $A$ は、可換連結な部分群であるが、トーラスとは呼ばない。) - 索引。$O(n,\mathbb{C})$, $SO(n,\mathbb{C})$, p 21. ${\mathbb{P}}^3 {\mathbb{R}}$, p73. ${\mathbb{P}}^1 {\mathbb{C}}$, p81. を入れると良い。 - p171, [5] は [9] と[10] の間。 - p172, [30][31] は逆。(佐武一郎の本がまとまる。) - [8][34][40] の Springer は [6][7][35] と統一して Springer-Verlag. - [40] のタイトルの各単語の冒頭は大文字。