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熊原啓作「入門複素解析15章」日本評論社
- 講義をした上での注意点
- page 20, line 9. まちがいではないが、「よぼう」は「呼ぼう」
- page 23, 下部。,
\left| \text{Im} z \right| \le \left| z \right| を付記しておく。教科書では p26 で使われている。
- page 24, 定理 2.5(2) の証明。page 22 で複素数平面での和の意味を与えているので、平面の三角形の性質から従う、と述べて、講義では証明を省略しても良い。
- page 28, line -4. z_1+z_2 は z_1z_2. なおこの作図の前辺りに、\text{arg}(z_1z_2) = \text{arg} z_1+\text{arg} z_2 を書いておきたい。
- page 33, line 7, e^{i\varphi} はp73 まで扱われないので、\cos\varphi + i \sin \varphi と書く必要あり。
- page 35, line -10. 「したがって」。前段落の帰結ではなく、d(0,\beta)=d(0,f(\beta)) であるという理由に基づく。
- page 107, 問題5. p103 例8.3 の精神に基づけば、まず、P(z)=(z-z_0)^m のときに、目的の式を示すことにするという方針が自然である。線積分の練習問題としては、ここで円周をパラメータ表示すれば、2項定理を援用することなく、結論が得られる。また、C 上で \overline{z-z_0} = \dfrac{r^2}{z-z_0} であることに気がつけば、\int_C \overline{P(z)} dz= r^{2m} \int_C (z-z_0)^{-m} dz = r^2 \times 2 \pi i \delta_{m1} となる(最後の等号は例 8.3 である)。
- page 119. 定理 9.7. 1行目の \overline{U_R(z)} は \overline{U_R(\alpha)}.
また、2行目の \left| f(\zeta) \right| は \left| f(z) \right| の方がよい。
- page 122, 定理 9.11(2). D-C は page 3 の記号の使い方によれば、 D\setminus C.
- p127, 定理 10.3 の証明。最初の文と4行目の文に重なりがある。すなわち、最初の文を生かすのであれば、4行目の「h(z_n)=0 から」は「f(z_0)=g(z_o) より」と言える。あるいは、最初の文を丸ごと削除して、4行目の「h(z_n)=0 から」を「h(z_n)=0 から、n\to\infty とすれば、連続性より」に置き換えることもできる。後者の扱いが好ましいと思う。なお、この部分の主張、「h(z_0)=0」は、ここに挙げられている証明には必要ではない。実際、もしも h(z_0)\neq 0 だったとしても、因数定理を使うところで、m=0 として、該当の式(証明の6行目)が成立している。あとは証明の終わりまでこの仮定を使うところがない。
- p127, 定理 10.3 の証明の3行目。「ある z \in U_R(z_0) で h(z) \neq 0」と仮定しているが、このような z を固定している訳ではないことに注意。(例えば、証明の6行目や7行目。)
- p131, 定理 10.7 の2行目。「滑らから」は「滑らかな」
- p145, 証明の4行目。「\varphi(z) は \left| z-z_0 \right| \lt r_2 で正則」の理由は、定理10.9(p132).
- p146, line 7, d_n の式の右辺の分母の指数は n+1 ではなく、n+2.
- p146, line 10, c_{-n} の式の右辺の分母の指数は n+1 ではなく、-n+1.
なお、この表記法は講義しづらいので、 7行目の \Psi(Z) の展開式のrunning index を m のように別の文字にしておく方が対応がとりやすい。
- p149, 補題の直前の qed マーク。証明された主張が独立して書かれていないが、
「0\lt\left| z-z_0\right|\lt R で正則な関数 f(z) に対して、
z_0 が f(z) の極であることと、\lim_{z \to z_0} f(z) = \infty は同値。」であろう。
- p150, line 5. 「したがって」の理由は、p149-150 で証明した事実。
- p150, line 6. g(z_0) \neq 0 を付記しておく必要がある。(9行目で極であると結論するため。)
- p150, 定理 12.3. 文脈からは明らかではあるが、囲みの中だけを読んだときに不十分であると感じるため、「z_0 が f(z) の真性特異点のとき」と入れておきたい。
- p150, 定理12.3 の証明。\lambda = \infty の時の証明が与えられていない。\lambda=\infty のときの定理の主張は、リーマンの定理12.2そのものである。このことは、慣れていない学生にとってそれほど当たり前でないので、言及する価値はある。
- p164, line -5. x=i は z=i.
- p187, 15.3 節の最後の行。「両辺が...での正則性から」は「両辺の... での正則性から」あるいは「両辺が...で正則であることから」
- page 197から。演習問題の解答に、問題のページが記載されているのがとても便利。
- page 198, 演習問題 2.3(2). z-2i がたまたま実軸上に乗っているのは misleadingなので実軸上からずらした方が better.
- page 200, 演習問題 4.5 の解答。\alpha, \beta のいずれかが負の整数の場合は、(多項式となるので)収束半径は無限大。
- page 201, 演習問題5.5, 5.6 の解答で、得られた級数を、指数関数や三角関数と同定している。この式は、示唆的でよいのであるが、この問題を解く段階(5章まで講義が進んだ段階)では、まだ、6章の内容を仮定できないので、演習の答えとしては、その前の部分までを学生に要求することとなる。(答えを丸写しする受講生に注意。)
- p203, 演習問題 9.1(2) の答えは-\pi ではなく、\pi.
Last-modified: 2017-07-18 (火) 17:32:22