小林俊行・大島利雄「リー群と表現論」岩波書店
- セミナーをした上での注意点
- p12, line 4. 「複素シンプレクティック群」英訳はここにはなく、page 309 に。また、索引には、page 302 のみが挙げられているが p12 も挙げておくと便利。なお、索引 page 602 には symplectic という項目がない。
- p12, line-5から -2 の説明。「$Hom_{\mathbb{C}}(V,W)$ が、ここのやり方で線形空間の構造を持つこと」、および「部分集合 $Hom_G(V,W) \subset Hom_{\mathbb{C}}(V,W)$ が線形部分空間になること」、の2つの事柄の統合として説明できる。
- p13, line -7, $GL(W)$. $GL$ という記号は初出。page 10から、ここまでは $GL_{\mathbb{C}}$ と書いている。 略記することを述べておく方が安全。
- p18, line -6「等長全射であって、かつ、全単射」?等長だとしたら単射は自動的なので、全単射は不要では?ここの文脈で丁寧に言うのであれば、前文をふまえて、「等長な線形全射」と言っておく。
- p19, 定義 1.32 の後半。後半でも群 G は「位相群」を仮定しているのだと思われる。page 28, Remark 1.46 はどうか。
- p20, 命題 1.36. ここで完備化で構成された「Hilbert 空間」が可分かどうかは明白でない。(c.f. page 18, line 11 のconvention との関係。)
- p28, 4行目の $\cong$ は $=$.
- p28, 4行目および定理 1.45. $Hom_G(V,V)$ が写像の合成によって積の構造を持ち、したがって、代数であることを言及しておきたい。4行目の右辺が体と同型になることが書かれているが、左辺も環になり、両辺は「環として同型になる」。定理でもいずれかの体に「環として」同型である。なお、これらの事実の背後には、「$G$-線形写像(定義は 1.15, page 12) の合成も $G$-線形写像」という事実がある(このことも、当たり前なのか、明示的にかかれてはいない)。
- p31, なかほど「そのスカラーを $C_j$ とおくと」の直後に、まず、$p_j \circ q = C_j id_W$ を書いておきたい。
- p31, その直後の「少なくとも一つの」は不要。既に上でそのような $j$ を選んでいる。また、説明としては、「$W_0 \neq \{ 0\}$ であるから」というよりは、「$p_j \vert_{W_0} \neq 0$ と$j$ を選んだので」。
- p31, その直後。$\Phi=\sum_{j=1}^m \Phi_{i_j} \circ p_j$ なので、$\Phi\circ q = \sum_{j=1}^m \Phi_{i_j} \circ p_j \circ q = \sum_{j=1}^m C_j \Phi_{i_j}$. ($w \in W$ を持ち出す必要がない。)
- p31, line -4 と -3 の間:いったん $v=\sum_{k=1}^d \Psi_k(w_k)$ を書いておいてから、$\pi(g)v$ の計算に入りたい。(こうすると $\Phi_{i_j}$ はもう2度と登場しない。) $\pi(g) v = \sum_{k=1}^d \Psi_k(\pi(g) w_k)
\in \sum_{k=1}^d \Psi_k(W)$, したがって、$\sum_{g \in G} {\mathbb{C}} \pi(g) v \subset \sum_{k=1}^d \Psi_k(W)$. ここから、line -1 に続く。
- p52, line -11. ${\mathbb{C}}^\times \sim GL(1,{\mathbb{C}})$ と書かれているが、${\mathbb{C}}^\times=GL(1,{\mathbb{C}})$ であろう。p10, line -3 の定義より。
- p57, 定理 2.6(iii) ここでいう環準同型は単位元を単位元に写す写像ではない。
- p312, 定義 7.15 の式 (7.18). $K$ が四元数体の時がわざわざ強調されているが、例 7.24 が (7.18) を満たさないので、式(7.18) に何らかの誤りがあると思われる。(橋本隆司氏の指摘)