微分積分学(2012年度,25組向け)のホームページ†
基本情報†
- 講義時間 火曜日1時限
- 講義室 全学教育棟 (教室は未定)
- 教科書 高木貞治著 「定本・解析概論」(岩波書店)
- 講師 辻井 正人 数理学研究院,研究室は数理棟(理系図書館のとなり)の417号室
- 講義内容 (前期)解析学における1変数関数の取り扱いの基礎を学ぶ.主に次の項目について講義する.(シラバスも参照)
- 集合と写像
- 実数と複素数
- 極限と連続関数
- 初等関数(三角関数・指数関数やその逆関数)
- 微分
- 積分
- テイラー展開
- フーリエ展開(可能なら)
内容は高校で既習の部分がかなり含まれるので,その部分については軽く取り扱う.ただし,高校での数学の到達度は一人一人異なるので,必要に応じて各自補うこと.
(後期)多変数関数の微分の取り扱いについて学ぶ.
(コメント)多変数関数の積分(重積分)については微分積分学続論で学習します.微分積分学(解析学)については微分積分学A,Bと微分積分続論の3つで一つのセットと考えてください.
注意事項・連絡事項†
- 講義は1時限目からということで,朝がつらい人もいると思う.(これは私の責任ではない.私もつらい.)しかし,講義への出席は最も効率の良い学習法であるので各自努力を払って欲しい.
- 大学の講義は講義時間外の学習を前提にしている.講義時間とほぼ同量が最低限.数学についてはある程度集中した時間でなければ無意味.この前提を無視して講義内容や試験の内容が難しいと言う者がいるが論外.
- 成績はレポートおよび期末試験の点数で判定する.成績は学習の到達度で判定し,努力そのものを評価はしない.追試は(忌引き等のやむをえない事情がある場合を除き)行わない.
- 休講等の予定:4月24日,6月5日は海外出張のため休講の予定.必要に応じて補講を行う.
- 期末試験の日程については期末試験期間に行う予定.(相談の上で最後の講義に行うこともあります.)
各回の講義について†
講義内容についてはシラバスを参照.以下に各回の講義内容と予定についてまとめておく.(あくまで予定.講義進行にあわせて付け加えたり省いたりする.)
講義資料は下にある.
- 第1回 微積分学の展望(4/10)
- 本講義で学習する微分積分学(解析学)について概略を説明し,後の講義への動機付けとした.
- 大学で数学を学習する目的・意義
- 論理的な思考の涵養
- 自然(科学)を記述する言語としての数学
- 微分積分学の歴史
- 古代における微分・積分の概念の原型
- 近代における微分積分学の確立(Newton, Leibniz)
- その後の発展
- Newtonによる惑星の運動の解析
- 運動の法則と微分方程式
- Kepler 運動の説明
- 数理科学におけるモデル
- 第2回 実数(4/17)
- 微分積分学の基礎として実数の基本性質および極限についての基本的命題を紹介する.(p1~14) これらは互いに論理的に関連するものであるが,本講義では形式的な取り扱いをせず,紹介する定理は実数の基本的な性質でそれらを認めて議論してゆくということである.(今後十分微分積分学について理解した時にそれらがどういう基礎の上に成り立っていたかを知りたくなれば教科書またはより専門的な本を見てよく考えてみるとよい.)
- 実数の連続性(Dedekindの切断定理)
- 上限・下限,Weirstrassの上限定理
- 極限,イプシロンデルタ論法
- 有界単調数列の収束
- 区間縮小法の原理
- Cauchyの判定法
- (平面(n次元空間)の点列の収束)
- 第3回 連続関数(5/8)
- 連続関数とその基本的な性質(有界閉区間上での最大値,最小値の存在,中間値の定理)について紹介し,それらが前回学んだ実数の性質からどのように導かれるかを示す.また,連続関数の極限や多変数の連続関数などにも触れる.
- 関数(1変数,多変数)
- 連続的変数についての極限
- 連続関数
- 中間値の定理
- 最大値・最小値の存在
- (開集合,閉集合,領域)
講義資料†
講義概要.pdf 662件
[詳細]
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